黒の革靴ならたいていの場合は大丈夫という声も聞かれますが、本当にそうでしょうか。「男のたしなみは足もとから」とも言いますが、結婚式で履く靴にもマナーがあります。
タキシードの場合は、黒いエナメル素材のオペラパンプスが基本のようです。元々オペラや舞踏会の際に履くもので、女性の大切なドレスやシューズを靴墨で汚さずにすむよう、塗らなくても光沢を保てるエナメル革を使用しています。それだけではなく、適度なツヤがタキシードを引き立てます。それだけに、このオペラパンプスは、まさに婚礼のためのシューズといっても過言ではありません。
正式なものはオペラパンプスといわれていますが、本来は夜の礼服用です。昼の礼装用の靴はストレートチップですので、こちらでも大丈夫です。色は黒が基本ですが、ライトカラーのタキシードを着用する場合には、白を選ばれる方が多いようです。
ちなみに靴のフォーマルについての格付けですが、ストレートチップ→ウイングチップ→プレーントゥという順にフォーマル度が変わっていきます。また甲の部分に付いている羽根のカタチを調べると、内羽根→外羽根→スリップオンの順になります。このことから、もっともフォーマルといえるのが内羽根の付いたストレートチップの靴となります。モーニングコートやフォーマルスーツには、このパターンを選んでおけば間違いないはずです。
ストレートチップの靴とは、1920年代に広まったバルモラルの一文字飾りの靴です。英国ではストレート・トゥ・キャップと呼ばれ、メダリオン(穴飾り)が無く黒色のものが最もフォーマルとされています。つま先に向かって一文字上に付くステッチかパンチングのみが、デザイン状のアクセントになります。また、外羽根もありますが、フォーマルでは使いません。
一文字にメダリオンがあるものをクォーター・ブローグ、プレーン・キャップ・トゥ、パンチド・キャップ・トゥなどと呼びます。 加えて、トゥ・キャップにメダリオンのあるものをセミ・ブローグ、メダリオン付きキャップ・トゥなどと呼びます。
鳥が翼を広げたようにW型のつま先飾りがあるものを、その形状からウイングチップと呼びます。 ウィングは単なる飾りではなく、通気性や水切りをよくするといった目的があり、ギザギザのカットのことをブローギングといいます。婚礼の場向きではないですが、ビジネスやカジュアルなパーティーにはOKです。
1810年代後半から広まった陸軍のハーフブーツが原形で、最も基本的な形であるため応用範囲も広い靴です。 現在のプレーン・トゥは外羽根式のものが多く見受けられます。